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元旦の朝出来上がったとか秘密











今年も作ったよ。
年々手加減してるんですが、今年くらいの量でちょうどいいかなあ。

そんなわけで、今年も黒田黒田でよろしくお願いします。
実はオンリー申し込み損ねたけども、なんとか本は作りたい。
もっと更新したい。
長政公誕生日企画はまた書きたいネタがあるのでダラダラ続行中です……

そんなわけで、イベントサークルカットに載せようと思っていた超小話を。



秘密

「また食うとる」
 入って来るなりその男は呆れた溜め息を洩らしながら、肩を竦めて呟いた。
「ホンマにねねは色気より食い気やな」
 いつまでたっても子どもや、口には出さないがそう顔に書いてある。
「お腹がすいたのですから仕方がありません!」
 ねねは半分まで租借した饅頭を残り全部口の中に詰め込んで、そこに茶を流し込みながら、それとなく自分の下腹を撫でた。
「お前、最近ちょっと肥えたんちゃうか?」
 長政は妻の柔らかい頬をぐいと摘まんでけたけた笑った。
「ちょっとくらいふくよかなんはええけど、さすがに三左みたいになったら俺も相手はできんぞ」
 三左とは家臣の黒田三左衛門一成のことである。この男、家中一の怪力で武勇の士であるが、縦にも横にもとにかく大きい。家中でも特に目立った巨漢であった。
 ねねは夫の手を振り払うと、ぷいと顔を背けた。
「まったく誰のせいでこんな体になったと……」
 とにかく腹が減るのも、熱っぽくて体がだるいのも、頻繁に襲ってくる吐き気も、すべてこの男のせいだ。普段は散々子ども扱いする癖に都合のいい時だけ女扱いする。
 ねねはきょとんとした目をして首をかしげるこの鈍感過ぎる夫を一度きっと睨んでから、
「だって、仕方ないでしょう……」
 二人分なのだから、そう言おうとしたところで、長政の向こうで茶を啜っていた舅と目が合った。彼は口元に人差し指を当てて片目をつぶって、にやりと笑った。
「何や? 何が仕方ないんや」
 妻が突然口を噤んだので長政は眉間に皺を寄せて、彼女と父の顔を交互に見た。
 長政の留守中に屋敷を訪れた医者に伝えられたその事実を如水は長政にはまだ伝えないように、ねねに言った。彼女にはどうして舅が息子にそんな意地悪をするのか理解できないでいた。もしかしたら、この親子は実は仲が悪いのかしら、そんなことも疑った。
 しかし、その理由がねねには今やっと理解できた。
 彼女は夫の肩越しに舅を見て、先ほど彼がしたように片目を瞑ると、わざとそっけなく夫に言った。
「なんでもありません。殿には秘密です」
 如水はただ面白い悪戯を思いついただけなのだ。それは、満足そうに饅頭を頬張るが表情がすべてを物語っている。



<幕>

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    黒田大河の実現を夢見るオタク歴10年の♀でございます。
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